Welfare Warriors作者: Premilla Nadasen出版社/メーカー: Routledge発売日: 2004/12/23メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る

 つい最近出たばかりの本。1960年代は、公民権運動の高まりと共に、数々の運動が盛んな時代だった。学生運動フェミニズム運動、などなど。その中でもあまり焦点があたらなかったが、ある意味争点だった運動がある。福祉権運動だ。福祉(=AFDC、アメリカの生活保護)を受給するのは、大半が、黒人のシングルマザーで、ここに人種・階級・ジェンダーの問題が複雑に交錯する。

 本書は、福祉権運動の中央の代表者にではなく、福祉権を求めて闘った地方の当事者に焦点をあてその歴史を掘り起こすと共に、一定程度の勝利を勝ち得た福祉権運動が今は衰退してしまっていることに注意を喚起する。この運動が掲げた「福祉=権利」という主張は、フェミニズムや社会改革に対して多大な示唆を持つはずだ。