28日に研究会に参加してきた。

―経済から日本の医療“制度”を考える―

 医療単価の高騰や医療資源の稀少性が叫ばれる今日、医療制度の抜本的な見直しが進んでいます。我々の身近にある医療制度とは、そもそもどのような仕組みなのでしょうか。導入される新制度は、我々の生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか。今回は、医療へ実証経済学の分野から切り込んでおられる、吉田あつし先生をお迎えして、日本の医療保険制度の概要と制度改革のトピックをお話ししていただきます。

http://www.ritsumei.ac.jp/kic/~gr018035/e/bas.htm

 報告は、経済学的アプローチということだったが、日本の医療制度の「政治経済学」的なある種の見取り図が得れたようにも思える。

 福祉を広く考えると、二つの保険(年金保険、医療保険)と公的扶助からなるが、前者二つは保険原理が主に作用するので、所得比例型にならざるおえない。老後の事を考えると、また障害のことを考えると、年金も大事だ。しかし、命にかかわる病気の場合のことなどを考えると、とりわけ医療サービスは死活問題。所得比例じゃ対応できない局面がある。そこをどのように租税原理で補っていくことができるかが、教科書的だがやはり基本的なポイント。それとあいまって、公的保険と民間保険の棲み分けもポイント。

 自分の研究テーマ、あるいは民営化の流れを考えると、低所得者層への医療扶助が気になるところだ。